ひきこもりの治療にはご家族の理解が必要です
「ひきこもり」は現象であって原因はたくさんあります。その中には精神科領域でかかわれること(うつ病・パニック障害・統合失調症・適応障害・不安障害・発達障害等)もあります。
ひきこもりの医療相談は関係機関と連携しながら行いますが、まずはご両親が相談に来られることをおすすめします。ご両親が「ひきこもり」を理解することが大切です。
当院では相談の内容によっては、地域の諸機関と相談、連携のもとで往診も行うことも可能です。その場合には別に手続きとしてご本人の希望を確認すること等が必要となってきます。
往診については訪問に熟知し、経験の豊かな医師とケースワーカーの二人体制で訪問をさせていただきます。(詳細は総合相談部へお問い合わせください)
ひきこもりは複合的な要因が原因の場合があります
「ひきこもり」について厚生労働科学研究費補助金・こころの健康科学研究事業の「思春期のひきこもりをもたらす精神疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究」(主任研究者・齊藤万比古)による、研究結果では「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヶ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしてもよい)を指す現象概念である。
なお、ひきこもりは原則として統合失調症の陽性あるいは陰性症状に基づくひきこもり状態とは一線を画した非精神病性の現象とするが、実際には確定診断がなされる前の統合失調症が含まれている可能性は低くないことに留意すべきである」としています。